忘れられないあのワイン
以下の3文を長ったらしく書きます。
▽以前旅行時に飲んだワインが忘れられない。
▽旅行の写真からワインの特定ができた。
▽思い出で美化された味と実際の差に落胆したくないから、買うのを躊躇っている。
忘れられない味があります。
忘れられないワインがあるんです。
あの旅行の、あのディナーの、あのワインの味が忘れられなくて……
ーその時、私の世界が広がる瞬間を感じました。
2018年1月、「銀色、遥か」という最高のゲームの聖地のひとつ、ローマに旅行をいたしました。
旅行から遡ること3ヶ月、「いやー、ローマ行きたいな!」と呟いた私に対して、友人が「いいね、イタリア旅行しようか」と反応してくれました。
そこからスムーズに準備が進み、9日ほどのイタリア旅行が敢行されたのです。
イタリアでは通常、食事の際にワインを頼むそうです。
私も友人も好んでワインを飲む方ではありませんでしたが、旅行の雰囲気であったり美味しい料理から、ワインも楽しくいただくことができておりました。
夜はスーパーでユーロ圏内のビール(500ml100円くらいで売ってある。)や謎の美味しいお酒を、謎のお菓子をつまみにしてホテルで飲むわけです。
観光は毎日はしゃぎすぎたり、美術館で圧倒されたりと本当に楽しくて、食事も常に満足で、お酒も楽しく飲めている。
充分満喫しているなあと感じていました。
ベネチア、フィレンツェと移動し、旅行最後の地がローマでした。
「銀色、遥か」の聖地巡礼に加え、「ローマの休日」のアン王女のような観光……
そしてローマの街を歩きながら、当時の専攻について熱く語り合うあの時間……
まさに夢のような、充実した時間でした。
そして最後の夜、外装も雰囲気も煌びやかなレストランに入店しました。
ワインの選択に悩んでいた私たちに、店員さんが問いかけてくださいました。
「白と赤、お好みは?甘いのがお好みですか?」
そこで出されたワインをひとくち飲んで……うわ何これめっちゃ美味い…………ええええ凄く美味しいなこれ…………
今まで イタリアン食べてるから という理由でしかワインを飲んでいなかった私にとってあまりに衝撃でした。
こんなにワインは美味しいものだったのか……
その時、私の世界が広がる瞬間を感じました。
ワインのひとつではありますが、まだまだ私が知らないことだらけで、私はこれからそれらを知ることができることに興奮しました。
この甘いスパークリングの白ワインが、以降私と友人がよりワインを飲むようになったきっかけでありました。
旅行から1年と8ヶ月ほどたった今でも、あの味が忘れられなくて、必死に旅行の写真を見返して探し続けました。
そしてついに、なんとかそのワインを特定することができました。
しかし、特定した後に、
そのワインの味は、
気の置けない友人との、
1週間以上に及ぶあの充実した旅行の、
最後の夜のワインだったから、特別に感じたのではないかという気持ちが広がってきたのです……
飲みたい……あの味をもう一度…………
でも落胆したくない…………………………!!
購入に二の足を踏んでいる私は、今日も行きつけの酒屋で一升瓶を選び、漬物をアテに良い日本酒を嗜むのです。